1: 名無しさん


■米国の対中姿勢の変化は「トランプ氏だから」ではない

――日本のそうした姿勢の背景とは?

日本には、現状をトランプ外交による「一過性の変化」として見ているフシがあります。つまり、いま米国で起きている様々な変化は、トランプ大統領による特殊な政権が生んだものだから、中国に対する警戒心は簡単に解けないのが伝統的な米国なので、政権が変われば元に戻るだろうという期待があります。

しかし、その見極めはそもそも間違った判断です。今回、トランプ氏が中国に優しく接したのは「トランプ氏だから」ではありません。トランプ氏は元来、中国に非常に厳しいのです。コロナ禍の2020年では、互いの領事館を閉鎖するほどでした。

しかし、今やトランプ氏の手に手札(カード)がない状況になっています。相互関税も半導体輸出規制も中国には通用しない。米国は単独で国際問題や通商環境を解決できず、中国をはじめ他国の力を借りざるを得ない状況が見えてきています。

米国の学者ジェフリー・サックス氏の指摘通り、米国は「プレッシャー中心の手法では中国を動かせない」と学びつつあるのです。バイデン政権の時代も圧力は奏功しませんでした。だから、これはトランプ氏個人だからではないというのが私の見立てです。

とは言え、政権が変われば新しいやり方を試し、揺り戻しも起きます。しかし時間をかけても着地点は同じ所になる。そこの変化を日本社会にぜひ知ってほしいのです。<中略>

■「虎の背に乗った」日本の現政権

――今回の中米首脳会談を受け、高市政権の対中政策は今後どう動いていくと見ていますか。

皮肉な言い方をすれば、「虎の背に乗った人はなかなか降りられない」――。日本がメディアも含めて長く築いてきた世論形成のど真ん中に、現政権があります。国内経済で大きな成果を出しにくい中で、対中・対韓の強硬姿勢は簡単には変えられない。高市首相個人への支持は高くても自民党の支持率は伸びず、党内からの政権交代も難しい。何か変わらねばならないのに変わりようがない、選択肢の限られた状況に陥っていると思います。

■日本は日中関係を真剣に考えるべき

――そんな中で、富坂さんからの提言とは。