【朝日新聞社説】原潜の導入論議 疑問や課題が多すぎる
1: ばーど ★ 2026/10/19(月) 08:35:14.65 ID:L/8HdCQa
政府が年内に改定する安全保障関連3文書に、長射程ミサイルなどの垂直発射装置(VLS)を搭載する潜水艦について、「原子力を含む次世代の動力の活用」の研究に着手することを明記する案が出ている。原子力潜水艦の導入に向けた布石と見られる。
ただ、本当に必要なのか。莫大(ばくだい)な費用や人員をどう賄うのか。そもそも、原子力の平和利用や専守防衛の原則と相いれないのではないか。根本的な疑問や課題が尽きない。
海上自衛隊が運用する既存のディーゼル潜水艦に比べ、燃料補給の必要がない原潜は、長期間、長距離の潜航が可能で、隠密性に優れている。速力も大きく、原潜を追尾するには、通常動力型では限界があるとの見方もある。
現在、原潜を持っているのは、核兵器保有国の米ロ中英仏印の6カ国。これに加え、豪州や韓国に計画があり、北朝鮮も建造中とされる。
高市早苗首相は衆院予算委員会で、早急な原潜の導入を提言している日本維新の会の議員の質問に対し、太平洋側の防衛体制の強化や、米韓豪などと連携したシーレーン(海上交通路)確保の重要性に触れ、「具体的かつ現実的な検討」を深めると述べた。
敵基地攻撃にも使える長射程ミサイルを積んだ原潜を、南シナ海や西太平洋といった遠洋で運用するなら、専守防衛の枠に収まるのか。原子力の利用を「平和目的」に限る原子力基本法を改正するのか。戦後日本が維持してきた原則を、国民的合意抜きに転換してはならない。
コスト面で非現実的との指摘もある。原潜の建造費は1隻あたり約1兆円とされ、通常動力型の数倍になる。整備や訓練にあてる期間があるため、常時運用には最低3隻なければならない。
原子炉を扱う専門人材を確保し、専用の整備施設や港湾、安全管理の態勢を整える必要もある。維持管理にも膨大な費用がかかる。
防衛省は、人工知能(AI)や無人機、宇宙・サイバーへの対応を進める一方、弾薬や燃料などの確保にも力を入れる。原潜に巨額の費用と人材を振り向ければ、本来必要な手当てを後回しにせざるを得なくなるのではないか。
日本は東京電力福島第一原発事故を経験し、民生用の原子力をめぐっても国論が分かれてきた。母港となる地域の理解を得られるのか。万一、事故が起きたらどうするのか。退役後の原子炉や放射性廃棄物の処理の問題もある。
「研究」を名目にして、導入への道筋をつけることは許されない。
朝日新聞 2026年10月17日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S16568272.html
ただ、本当に必要なのか。莫大(ばくだい)な費用や人員をどう賄うのか。そもそも、原子力の平和利用や専守防衛の原則と相いれないのではないか。根本的な疑問や課題が尽きない。
海上自衛隊が運用する既存のディーゼル潜水艦に比べ、燃料補給の必要がない原潜は、長期間、長距離の潜航が可能で、隠密性に優れている。速力も大きく、原潜を追尾するには、通常動力型では限界があるとの見方もある。
現在、原潜を持っているのは、核兵器保有国の米ロ中英仏印の6カ国。これに加え、豪州や韓国に計画があり、北朝鮮も建造中とされる。
高市早苗首相は衆院予算委員会で、早急な原潜の導入を提言している日本維新の会の議員の質問に対し、太平洋側の防衛体制の強化や、米韓豪などと連携したシーレーン(海上交通路)確保の重要性に触れ、「具体的かつ現実的な検討」を深めると述べた。
敵基地攻撃にも使える長射程ミサイルを積んだ原潜を、南シナ海や西太平洋といった遠洋で運用するなら、専守防衛の枠に収まるのか。原子力の利用を「平和目的」に限る原子力基本法を改正するのか。戦後日本が維持してきた原則を、国民的合意抜きに転換してはならない。
コスト面で非現実的との指摘もある。原潜の建造費は1隻あたり約1兆円とされ、通常動力型の数倍になる。整備や訓練にあてる期間があるため、常時運用には最低3隻なければならない。
原子炉を扱う専門人材を確保し、専用の整備施設や港湾、安全管理の態勢を整える必要もある。維持管理にも膨大な費用がかかる。
防衛省は、人工知能(AI)や無人機、宇宙・サイバーへの対応を進める一方、弾薬や燃料などの確保にも力を入れる。原潜に巨額の費用と人材を振り向ければ、本来必要な手当てを後回しにせざるを得なくなるのではないか。
日本は東京電力福島第一原発事故を経験し、民生用の原子力をめぐっても国論が分かれてきた。母港となる地域の理解を得られるのか。万一、事故が起きたらどうするのか。退役後の原子炉や放射性廃棄物の処理の問題もある。
「研究」を名目にして、導入への道筋をつけることは許されない。
朝日新聞 2026年10月17日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S16568272.html
この記事へのコメント
0 コメント











































