〈習近平の周りから将軍が消えた〉中国軍“大粛清”で最高指導部「7人→実質2人」…それでも台湾有事が遠のかないワケ
1: 昆虫図鑑 ★ 2026/09/06(日) 16:57:36.17 ID:S435vN7H
今年8月28日、中国軍最高幹部の2人が国家中央軍事委員会正式の副主席・委員を免職された。これで、2022年に7人いた中国軍の最高軍事指導部は実質2人に。いったい中国軍で何が起きているのか?
(略)
元防衛省情報分析官の上田篤盛氏は、現在の体制がどれほど異例なのかをこう説明する。
「習近平氏とともに最高軍事指導部に残る張昇民氏は、軍内の規律検査を担当してきた政治将校で、作戦指揮官としての経験はありません。つまり、巨大な人民解放軍の最高指導部から、実際に部隊を指揮してきた軍人がいなくなってしまった。これは明らかに異常な状態です」
最高指導部だけではない。現在の中国軍には、もうひとつ異例な点がある。国防部長は海軍出身の董軍氏だが、軍の最高指導機関である中央軍事委員会のメンバーではないのだ。
「中国の国防部長は、軍事作戦を直接指揮するというより、外国の国防当局との交渉や軍事交流を担う、中国軍の対外的な“顔”です。
そして通常、国防部長は中央軍事委員会のメンバーも兼ねます。ところが現在、董軍氏は入っていません。
そのため、外国の国防当局からすれば、董軍氏との間で得られた合意や説明が、実際の中国軍の行動にどこまで反映されるのかわかりにくい。
さらに、外交窓口である国防部長と、実際の作戦指揮系統が切り離されているため、中国軍の意図や意思決定の過程が外部からますます見えにくくなります」
(略)
それでも「台湾有事が遠のいた」わけではない
ただし、「中国軍が混乱している=台湾有事が遠のいた」と単純には言えない。
台湾本島への全面侵攻は、海峡を越えて大軍を送り込む非常に難しい作戦だ。一方、中国が台湾に対して取り得る手段は全面侵攻だけではない。海上封鎖や航空・海上活動による威圧、限定的な軍事攻撃などもある。
上田氏は、中国軍の混乱が別の危険につながる可能性を指摘する。
「混乱が続けば、空軍や海軍は、陸軍の影響力が低下している現在の状況を利用して、自らの権限や発言力をさらに拡大しようとするでしょう。
そのため、台湾周辺や東シナ海、西太平洋における航空・海上活動を、これまで以上に活発化させる可能性があります。
さらに、習近平氏が国内の権力基盤を強化するため、台湾をめぐる軍事的緊張を利用する可能性もあります」
そして、もうひとつ重要なのが、中国共産党と人民解放軍の関係だ。中国には古くから「党が鉄砲を指揮する」という原則があり、人民解放軍は中国共産党の指導下に置かれている。
「たとえ軍の上層部に反習近平の感情が広がっていたとしても、それだけで軍が動かなくなるわけではありません。
中国には『党が鉄砲を指揮する』という原則があります。台湾統一を党の歴史的使命として掲げてきた以上、軍が党の命令を拒めば、自らの存在理由と党への忠誠を否定することになります。
したがって、軍上層部に不満があったとしても、命令が下れば軍は動くと考えるべきです」
では、現在の中国軍で最も警戒すべき点はなんなのか。上田氏が問題視するのは、単に将軍の数が減ったことではない。
「問題は、張又侠氏や劉振立氏のように、作戦の難しさや損害を軍事的合理性から判断し、政治指導部の無謀な命令を抑制し得る軍人がいなくなったことです。
一方で、上のポストが大量に空いている現在、功名心の強い軍人にとっては、一気に昇進する機会でもあります。
軍事を十分に理解しない文民指導者と、昇進の機会を狙う功名心の強い軍人が直接結びつく。そして、その間で軍事的合理性を検討し、政治的な命令を抑制する人間が失われていく。
その状態のほうが、専門的な軍指導部が存在していたときよりも、誤算や無謀な作戦を引き起こす危険性が高いのです」
中国軍の最高幹部が次々と消えていることは、一見すれば人民解放軍の弱体化にも見える。
しかし、政治指導部に軍事的なブレーキをかけられる人物まで消えているとすれば、その混乱を日本にとって単純な「朗報」と考えるのは早計だろう。
取材・文/小峯隆生 <...
(略)
元防衛省情報分析官の上田篤盛氏は、現在の体制がどれほど異例なのかをこう説明する。
「習近平氏とともに最高軍事指導部に残る張昇民氏は、軍内の規律検査を担当してきた政治将校で、作戦指揮官としての経験はありません。つまり、巨大な人民解放軍の最高指導部から、実際に部隊を指揮してきた軍人がいなくなってしまった。これは明らかに異常な状態です」
最高指導部だけではない。現在の中国軍には、もうひとつ異例な点がある。国防部長は海軍出身の董軍氏だが、軍の最高指導機関である中央軍事委員会のメンバーではないのだ。
「中国の国防部長は、軍事作戦を直接指揮するというより、外国の国防当局との交渉や軍事交流を担う、中国軍の対外的な“顔”です。
そして通常、国防部長は中央軍事委員会のメンバーも兼ねます。ところが現在、董軍氏は入っていません。
そのため、外国の国防当局からすれば、董軍氏との間で得られた合意や説明が、実際の中国軍の行動にどこまで反映されるのかわかりにくい。
さらに、外交窓口である国防部長と、実際の作戦指揮系統が切り離されているため、中国軍の意図や意思決定の過程が外部からますます見えにくくなります」
(略)
それでも「台湾有事が遠のいた」わけではない
ただし、「中国軍が混乱している=台湾有事が遠のいた」と単純には言えない。
台湾本島への全面侵攻は、海峡を越えて大軍を送り込む非常に難しい作戦だ。一方、中国が台湾に対して取り得る手段は全面侵攻だけではない。海上封鎖や航空・海上活動による威圧、限定的な軍事攻撃などもある。
上田氏は、中国軍の混乱が別の危険につながる可能性を指摘する。
「混乱が続けば、空軍や海軍は、陸軍の影響力が低下している現在の状況を利用して、自らの権限や発言力をさらに拡大しようとするでしょう。
そのため、台湾周辺や東シナ海、西太平洋における航空・海上活動を、これまで以上に活発化させる可能性があります。
さらに、習近平氏が国内の権力基盤を強化するため、台湾をめぐる軍事的緊張を利用する可能性もあります」
そして、もうひとつ重要なのが、中国共産党と人民解放軍の関係だ。中国には古くから「党が鉄砲を指揮する」という原則があり、人民解放軍は中国共産党の指導下に置かれている。
「たとえ軍の上層部に反習近平の感情が広がっていたとしても、それだけで軍が動かなくなるわけではありません。
中国には『党が鉄砲を指揮する』という原則があります。台湾統一を党の歴史的使命として掲げてきた以上、軍が党の命令を拒めば、自らの存在理由と党への忠誠を否定することになります。
したがって、軍上層部に不満があったとしても、命令が下れば軍は動くと考えるべきです」
では、現在の中国軍で最も警戒すべき点はなんなのか。上田氏が問題視するのは、単に将軍の数が減ったことではない。
「問題は、張又侠氏や劉振立氏のように、作戦の難しさや損害を軍事的合理性から判断し、政治指導部の無謀な命令を抑制し得る軍人がいなくなったことです。
一方で、上のポストが大量に空いている現在、功名心の強い軍人にとっては、一気に昇進する機会でもあります。
軍事を十分に理解しない文民指導者と、昇進の機会を狙う功名心の強い軍人が直接結びつく。そして、その間で軍事的合理性を検討し、政治的な命令を抑制する人間が失われていく。
その状態のほうが、専門的な軍指導部が存在していたときよりも、誤算や無謀な作戦を引き起こす危険性が高いのです」
中国軍の最高幹部が次々と消えていることは、一見すれば人民解放軍の弱体化にも見える。
しかし、政治指導部に軍事的なブレーキをかけられる人物まで消えているとすれば、その混乱を日本にとって単純な「朗報」と考えるのは早計だろう。
取材・文/小峯隆生 <...
この記事へのコメント
0 コメント











































