阪神・森下の15発宣言。達成者は歴代で「あの2人」しかいない。
「また浜風に押し戻されたか……」
ライトスタンドの溜息が、甲子園の空気に溶けていく。1992年のラッキーゾーン撤去以来、我々阪神ファンは、完璧に捉えたはずの打球がフェンス手前で失速する絶望を何度味わってきたことだろうか。広大な外野、そして右打者の行く手を阻む逆風。聖地・甲子園は、いつしか日本人長距離砲にとって「本塁打の墓場」とまで囁かれるようになった。
そんな歴史の重みを知ってか知らずか、背番号1・森下翔太が放った言葉が、虎党の魂を震わせている。
「甲子園で15発」。
この数字がどれほど正気の沙汰ではないか。ラッキーゾーン撤去後の34年間で、聖地で15本以上のアーチを描いた日本人選手は、金本知憲と今岡誠、そして短縮シーズンの猛威を見せた大山悠輔という、選ばれしレジェンドしか存在しない。特にフルシーズンの右打者となれば、あの2005年の今岡誠まで時計の針を戻さなければならないのだ。
今、リーグトップの7本塁打を引っ提げ、藤川球児監督が信頼を寄せる若き主砲が、21年もの間閉ざされていた「右の聖域」の扉をこじ開けようとしている。
佐藤輝明ですら苦戦する「浜風の壁」を、森下はどう切り裂くのか。そして、この「15発」というノルマが達成された時、タイガースにどのような歓喜が訪れるのか。単なる個人の記録を超えた、2026年・藤川阪神の「アレ」を決定づける歴史的挑戦の幕が、今上がる。
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